3Dプリント 工作 改造 楽器 電子工作

ベースアンプPJB Double Fourにボーカルマイクを2本繋ぐためのアクティブミキサーを製作

ベースアンプにボーカルマイク!?

PA設備のないところでライブをやることがあったりすると、持っていくのが「PJB Double Four」というベースアンプです。

PJB Double Four

PJB Double Fourは、手提げ金庫くらいの小ささで3.9Kg、70Wの出力があって、何よりちゃんとベースの低音が鳴ります。さすがPJBという感じ。

ベースアンプ以外にもボーカルアンプとして使うこともあります。

例えば太鼓のグループは基本アンプラグドでやるのですが、ボーカルはアンプを通してあげないと楽器の音に負けてしまいます。

そりゃボーカル用のミキサーアンプとか使ったほうが音はいいんでしょうが、なかなかこれだけ軽量コンパクトでパワーもあるアンプってないんですよね。

荷物が増えて車移動だと終わったあと飲めない人がでちゃうし。ぶっちゃけそこまでマイクの音質にこだわりがないのです。

ボーカルアンプとして使うときは、PJB Double FourのHighゲイン入力に普通にダイナミックマイクを突っ込めば鳴ります。

トーンをフルテンに

そのままだと音量がでないのですが、プリアンプのトーンをBASS,MID,TREBLEの3つともMAXにまであげるとちゃんと大きな音が出せます。

AUX入力にスマホとか繋げればBGMやカラオケもながせます。なんとも便利なアンプです。

メインボーカルとコーラス用に2本繋ぎたい

あるとき、神社の境内で歌と太鼓を披露する機会がありました。

屋外ですが電源はあるとのことで、このアンプとマイクを持ち込むことになりました。ただ、屋外だとコーラスにもマイクが欲しくなります。

このグループでやる歌はメインボーカルとコーラスの掛け合いで成立しています。屋内だと反響のお陰で何人かでまとめて声を出すとそこそこ太鼓に負けない音量がでるのですが、屋外だとちょっとキツそうです。

コーラスにもマイク欲しいなー、ということでPJB Double Fourにマイクを2本繋ぐことにしました。

さすがに二股ケーブルとかで強引に2本繋いでもマトモに鳴りそうもありません。そこでマイクの出力を上げると同時にミックスもするアクティブミキサーを作ることにしました。

エレキットで最適なアンプキットを発見

いちおう市販品も探したのですが、なんせニッチな用途なので、入力が多すぎたり電源がACアダプタだったりして、なかなかぴったりした製品がないんですよね。

あとミキサー系の工作って同じモノを複数作るのがちょっと面倒です。マイク2本なのでアンプ部も2個分作る必要がある。スクラッチで作るにはこれがちょっとつらい。

というわけで、アンプキットやモジュールを探したところ、ぴったりの製品がエレキットにありました。

エレキット マイクアンプ NT-5

Amazonで売ってるこれも同じっぽいです。

説明書きには、

このアンプは、マイク入力がついていないアンプでちょっとマイクを使いたい時や、マイク入力はついているがもう少しゲイン(利得)が欲しい時などに便利な、超小型マイクアンプキットです。

とあり、まさに私が求めていたアンプの仕様。

電源電圧:DC3~20Vと広く006P 9V電池で動かせるのもポイント高いです。単三電池4本とかだとかさばるんですよねー

自分でユニバーサル基板で作るよりずっとコンパクトで信頼性も高そうです。

これを2個買ってそれぞれにマイクを繋ぎ、出力を抵抗でミックスすることにしました。

当初はシンプル・イズ・ベストでVR無し。マイクとアンプを繋ぐだけの設計にしました。

今回はちゃんと金属ケースに入れ、ジャックも楽器用のちゃんとした奴を使いました。

以前、ケチって安いジャックを使ってガリに悩んだことがあるのです。

この手の機材はプラグインでスイッチが入るようにすることが多いと思いますが、私は独立した電源スイッチがある方が好きです。手持ちのLED内蔵スイッチを使用。

ケース内でアンプキットの基板を立てるブラケットや電池の固定具は3Dプリンタで製作しました。こういうカスタムのブラケットやステー類を作るのに3Dプリンタは本当に便利です。

2個のアンプ部を縦に設置
9V電池はスポンジクッションで押さえる

基板をブラケットに固定するのにはヒートガンを使用しました。

PJB Double Fourとの合体メカを3Dプリントで製作

もうひとつ3Dプリンタで作ったのがミキサーをアンプに取り付けるブラケットです。

エフェクターとかもそうですが、この手の機材を固定せずに使ってると、落としたり蹴飛ばしたりしてトラブルことがよくあります。

特にボーカルマイクとかは移動したりケーブルを引っ張ったりしますから、できればミキサーはアンプに固定したいところ。

ただ、完全固定しちゃうとそれそれで不便です。

あれこれ思案した結果、PBJ Double Fourには、ちょうでツマミ類の保護用とおぼしき逆U字型の金具が付いているので、ここにカチャンと嵌まる固定具を作りました。

これは素晴らしく上手くいきました。3Dプリントでこういう変形や嵌め合いがうまくいくと嬉しくなります。

現場での教訓を元にバランスボリュームを追加

さて、ぶっつけ本番で使用したアクティブミキサー+PBJ Double FourによるPAシステムは完璧に動作してメンバーにも好評でした。

ただ、ひとつ困ったのは私の持っているマイクと友人が持ってきた2本目のマイクで出力レベルが結構違ったことです。

ミキサーといってもバランスやボリュームは付いていませんので、音量の差がそのまま出てしまいます。

そのときは音が大きい方をメインボーカル用にして対処しましたが、やはりバランスボリュームくらいは必要だと痛感。

スペースがないので、ジャックの反対側にムリヤリ付けました。やっぱりあると便利。

次の出番がいつなのか、あるかどうかも分かりませんが、これはなかなかよくできた工作でした。

-3Dプリント, 工作, 改造, 楽器, 電子工作