親指シフト用の問題を収録したタイピングソフト
だいぶ前ですが、親指シフト配列のタイピングを覚えるために作ったソフトです。
ローマ字入力やかな入力の練習ソフトは市販でもフリーでも色々あるのですが、Macで親指シフト用というモノはなかったので作りました。
正確には親指シフト用の問題を収録したタイピング練習ソフトです。アプリ自身には親指入力の機能はありません。
ですから、親指シフト入力ソフトは別途自前で用意する必要があります。
私はLacalleというMac用の親指シフトアプリを使っています。Windowsでの親指シフト対応は分かりません。
こんな感じのシンプルなソフトです。
以下のリンク先で使えます。
問題の語句は「NICOLA派宣言」というサイトから拝借しました。
問題は、頻出語句、ホームポジション、右手打鍵、左手打鍵、濁音、半濁音、総合、ユーザー定義からボタンで選択できます。
また、自由入力練習欄を使うと任意の語句を集中的に練習できます。例えば自分の名前とかを練習するのに便利です。
「ユーザー定義」の問題はuser.txtというファイルに記述します。
ダウンロードしてローカル環境で開くとブラウザのセキュリティ制限に引っかかって動かないことがあります。
そういう場合はgithub pagesとか簡易サーバーを使うとかしてください。
速くて楽な日本語入力配列
私は現在「親指シフト」で日本語を入力しています。
親指シフトは、日本語のかなを入力するためのキー配列の一種です。指の負担が少なく日本語を楽に素早く入力できます。
どんな入力方法なのかを簡単に解説してみます。
親指シフトでは、一般的なシフトキーとは別に、親指で押す"日本語専用のシフトキー"があります。
配列は以下のようなものです。
正確にはNICOLA配列というらしいです。また、細かい配列の違いで色んなバリエーションがあります。
私の場合、アルファベットや数字はMacのJISキーボードのままで、かなだけをNICOLA配列にしています。左親指シフトはスペースキー、右親指シフトは「かな」キーに割り当てています。
見ての通り、JISかなとは全く配列が違います。私はMacの標準日本語キーボードを使っているので、キーの刻印と入力される文字は全く異なります。
文字キーと左右二つの親指シフトを組み合わせて打鍵
親指シフトでは、以下の3つの打鍵方法があります。
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文字キーを単独で打鍵
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文字キーと右親指シフトキーを同時打鍵
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文字キーと左親指シフトキーを同時打鍵
これにより、少ないキーで日本語を打てるようになっています。左右の親指シフトを同時に使うことはありません。
配列を見ると分かりますが、文字キーを押した手と反対の手で親指シフトキーを押すと濁点になります。
例えば [S] キーを単独で押すと「し」が入力されますが、同時に右親指シフトを押すと「じ」になります。
ちなみに、半濁音は元の音とも濁音とも違うキーに割り当てられています。
シフトキーの同時打ちには慣れが必要
親指シフトのもうひとつの特徴が「シフトの同時打ち」です。
つまり、文字キーと親指シフトキーは同時に打ちます。この点が一般的なshiftキーとは異なります。
shiftキーに限らずctrl、option、commandといった修飾キーは、まず修飾キーを押して、そのままキープして文字キーを打ちます。
しかし親指シフトの場合、親指シフトキーを先に押してしまうとちゃんと入力出来ません。文字と親指シフトキーを同時に打鍵します。
この同時打鍵が、最初はうまくできなくて大変でした。
ちょっと筋肉の使い方が違うので、慣れないと本当に難しいし、疲れるんですよね。でもいったん慣れてしまうと同時打鍵の方が速くて力も要らないことが分かります。
長年親しんだローマ字入力は打鍵数が多くて疲れた
親指シフトは独特の入力方法なので、最初に覚えるまでがちょっと大変なのですが、覚えてしまえばとても快適です。
現在、ほとんどの人が使っているのが、ローマ字入力だと思います。「わたし」を"WATASI"と入力する方式です。
アルファベットの配列を覚えるだけで日本語も打てるようになるので敷居が低いです。私も最初に覚えたのはローマ字入力でした。
しかし、打鍵数が多いという難点もあります。「わたし」と3文字のかなを入力するために6回もキーを打たなくてはなりません。
ずっとローマ字入力を使っていた私ですが、ずいぶん前に仕事で録音の文字起こしを頻繁にするようになった時に、あまりに手が疲れるのでローマ字入力を止めました。
代わりに覚えたのが「かな入力」です。これはパソコンの日本語キーボードに書いてある「かな」を覚えて打ちます。
日本語入力の設定をローマ字からかな入力に変更するだけで使えます。
当たり前ですが、一回の打鍵でかな1文字を打てるので、打鍵数はローマ字入力の半分近くまで減ります(濁点や半濁点は別途打鍵する必要があります)。
50音の配置を覚えるのは結構大変でしたが、タイピング練習ソフトの助けを借りてマスターしました。
打鍵数が減って負担が減り、入力もちょっと速くなったと思います。
日本語は日本語のまま入力した方が気持ちいい
また、かな入力の素晴らしい点として、日本語を日本語のまま打てるという点があります。
当たり前のようですが、日本語をいったんローマ字に変換して手で打って、画面にはまた日本語が表示されるというのは、とても不自然な行為なんですね。
ローマ時入力に慣れているときはなんとも思わなかったのですが、かな入力にしたら、音と指がダイレクトに繋がった気がしたものです。まぁそれで文章が上手くなるわけではないですがw
かな入力は指の移動量が大きくて疲れる
何年かそれで満足していたのですが、今度は加齢のせいか、かな入力でも指が疲れるようになりました。
かな入力の難点として、指の動きが大きいことがあります。指の動きが大きいのは、50音を1文字ずつキーに割り当てているので仕方のないところ。
かな入力では、数字や記号が割り当てられているキーボード最上段も頻繁に使います。
特に右手小指の守備範囲がやたらと広いです。
自己流で覚えたので右手小指の正式な守備範囲は分かりませんが、私の場合は、かな6個+濁点+半濁点+¥+リターン+delete+右シフトを右手小指1本で担当します。
これはちょっと負担が大きすぎました。
また、かな入力は速く打てる半面、指の移動距離の長さからか、打鍵ミスがとても多かったです。
加齢と共に指も硬くなって大きく指を動かすのがしんどくなってきました。しかしローマ字には戻りたくないし。
そんなわけで、親指シフトを覚えることにしました。
キーボードリマップソフトで簡単に配列を変えられる時代
親指シフトの存在は、昔から知っていましたし、実際Windowsで一度覚えようとしたこともありました。
しかし、その時は専用の日本語入力ソフトと専用キーボードが自分と合わなくてすぐに断念してしまいました。
再度、親指シフトを覚えようという気になったのは、キーボードのリマップ(配列変更)ソフトを使えばMacの標準キーボードでそのまま親指シフト入力ができると分かったからです。
今、使っているのはLacailleと言うソフトです。これはMacで親指シフト入力をすることに特化したソフトで導入が凄く簡単で使いやすいです。
フリーウエアでこんな便利なことができるのですから、ありがたい時代になりました。
また、ブラウザとJavascriptで簡単にタイピング練習ソフトが作れるのも今の時代ならではのことだと思います。
Lacalleを使う前はKarabiner(カラビナ)というソフトを使っていました。これは汎用のキーリマップソフトで自由自在にキー配列を変えることができます。今はKarabiner-Elementsというバージョンになっているようです。
新しいキー配列を覚えるコツ
これまでにローマ字、かな、親指シフトと3種類の配列を覚えてきました。[かな]はわすれちゃいましたけど。
自分なりに考える、キー配列を覚えるコツとしては、以下のようなものがあります。
step
1タイピング練習ソフトを使う
まずタイピング練習ソフトを使うこと。やっぱり練習の効率が全然違います。
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2よく使う単語を手癖にする
新しいキー配列を覚える過程には二段階あります。
まず最初は、文字ひとつひとつの配列を覚える段階。
次によく使う言葉の入力を手癖にする段階です。
例えば、すでに打鍵をマスターした人は「わたし」のようによく使う言葉を「わ・た・し」と一文字ずつ考えながら入力しません。
よく使う言葉は手癖になっているので、何も考えずに「わたし」と一気に入力しているはずです。
この手癖になっている単語が増えるにつれて、入力が速くなっていきます。
自作した練習ソフトには、自由練習欄とユーザー定義のオリジナル問題(user.txt)の読み込み機能がありますので、それを使うと自分に必要な手癖を付けられます。
私の場合は、まず自分の名前を手癖で入力出来るように練習しました。その後は仕事でよく使う単語を練習しました。
step
3なるべく早く新しい配列に移行する
少し覚えた段階で、とっとと普段からその配列で使うようにします。とにかくプライベートでも仕事でも、時間はかかっても新しい配列で入力し続けます。
タイピングは習うより慣れろなので、ちゃんと覚えてから使おうとするといつまでも覚えられません。
プログラマー向けのタイピングソフトも作った
もうひとつ、プログラマー向けのタイピング練習ソフトも作ったことがあります。
プログラミングは、関数名や記号を速く打てるかどうかで結構効率が変わるので、練習する価値があります。
このソフトはプログラミング向けの問題を収録しただけでなく、文字の色を変えてどこまで正確に入力できたかが分かるなど、親指用練習ソフトにはない新しい機能を入れています。
録音の文字起こしは音声認識に
数年前に覚えた親指シフトのおかげで、今では指の疲れに悩むことはなくなりました。
親指シフトは喋る速度で入力出来ると言われることがありますが、私の場合はそこまで速くないです。でも楽ちんで思考を妨げないというのは本当です。
ローマ字入力から脱却するきっかけとなった録音の文字起こし作業ですが、現在はタイピングよりも音声認識を使うことが増えました。
認識率を上げるためにちょっと工夫が必要なのですが、今は音声認識を使った方がタイピングよりも速くて負担が少ないです。時代の流れですね。
文字起こし以外のテキスト入力にも音声を使ってみたのですが、打鍵しながら推敲する癖が付いているのでこれがなかなか難しいです。
いずれ、文字起こし作業での音声認識利用のノウハウも書いてみたいと思います。そういえば、文字起こし用の専用メディアプレーヤーも作ったこともありました。
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動画や音声の文字起こし用に作ったメディアプレーヤー付きエディタ(Mac/Chrome用)
文字起こしの時にキーボードから手を離さずに音声の再生をコントロールしたいと思って作ったWebアプリです
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