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昔のステレオ写真をEOS R7+EF100mm F2.8 マクロ USMでデジタル複写した

昔ハマったステレオ写真をそろそろ廃棄したい

たぶん20年くらい前にステレオ写真に凝ったことがありました。

ステレオ写真とは、左右2つのレンズで同時に写真を撮り、現像後に右目と左目で左右それぞれのレンズで撮った写真を見ると、モノが立体的に見えるというヤツです。

3D写真とも呼ばれています。今の立体視ができるVRゴーグルもその延長線上の技術です。

当時、すでに新品のステレオカメラはほとんどありませんでしたのでクラシックカメラに属する専用カメラやビューワー、プロジェクターなどを購入して楽しんでいました。

撮影にはポジ(スライド)フィルムを使いました。ポジはプリントと違って今の液晶のような鮮やかな発色がでて好きでした。

プロジェクターで投影する時には、専用の偏光眼鏡をかけてみます。すると空間中に立体的な映像が浮かび上がります。これは今の3D映画とまったく同じ仕組みです。

やがてステレオ写真への熱が冷めてしまい、機材もビューワーだけ残して売ってしまいました。

ステレオ写真熱が冷めた原因のひとつに、コダックの現像&マウントサービスの廃止がありました。

リアリストフォーマットと呼ばれる形式で撮影されたポジフィルムは、現像後に2枚の写真をひとつのマウントに収める必要があります。

当時、コダックの現像所では現像とマウントのサービスをリーズナブルな価格で提供していたのです。

現像してマウントして立派な箱に入れてくれました。

(カビが凄いけどマウントだけでフィルムは無事です)

しかし、ある時にこのサービスが廃止されてしまいました。

最初は自分でマウントしてみたりもしましたが、本来が面倒くさがりなこともあり、やがてステレオ写真熱は冷めてしまいました。

前置きが長くなりました。そんなこんなで当時撮ったステレオ写真が大量にあり、そろそろ処分することにしました。

もったいないという気もしますが、後世に残したいならちゃんとコレクションとして整理したり、保管条件も整えるべきでしょう。そこまでする気はないので、しょせんはその程度の趣味、と自分に言い聞かせて処分します。

ただ、ひさびさ見てみるとやはり画像として残したい写真も結構ありました。

というわけでデジタルカメラで複写することにしました。

3Dプリントで ステレオマウント用のホルダーを製作

カメラで複写撮影をするときは、カメラと対象物、光源の固定が重要です。

最初は簡易的に作ったライトテーブルと三脚でも良いかなと思いました。

しかし、実際にやってみると1枚ごとのセッティングが面倒くさい。

カメラの水平/垂直を維持するのも難しいです。

ステレオ写真では、左右の写真を同一条件で撮影することが重要です。 ライトテーブルや三脚ではそれがちょっと難しいです。

そこでカメラとフィルム、光源をしっかり固定して効率良く撮影できる治具的なものを作ることにしました。

一番問題となるフィルムの固定は、専用のホルダーを3Dプリントで作成しました。

ホルダーにはステレオマウントされたフィルムを差し込むと、中心に一コマだけが見えます。

後ろから光源を当てて撮影し、フィルムを反対側にスライドされるともう一コマが撮影できます。

ホルダーの高さはカメラレンズの中心と合わせてあります。

1x4材の上にカメラ、マウントホルダー、光源を配置

カメラ機材はEOS R7とEF 100mm F2.8 マクロ USM+マウントアダプタです。

もうほとんどの写真はスマホで撮っていますが、時々こういうテクニカルな撮影をするときは一眼レフが必要になります。

EF 100mm F2.8 マクロUSMはLレンズではないですが、中古で安く入手でき、この用途には十分な性能でした。

カメラの固定にはクイックシューを使いました。

アルミ板にクイックシューを固定しアルミ板を1x4材に固定します。

レンズが重いのでどうしてもわずかに前下がりになります。レンズに下に支えを付けて水平を出しました。

レンズの延長線上に高さを合わせた3Dプリントマウントホルダーを取り付けます。

マウントホルダーの背面には薄い白プラ板を貼って光を拡散しています。

光源はLED電球です。熱くならないので安全でフィルムが痛む心配もないです。

ホルダーやレンズ周りは黒い紙で遮光しました。

単純な撮影システムが非常に使いやすくできました。

AEロックで露出を揃える

撮影はAF+AEで快適に行えました。

前述のようにステレオ写真の複写では2枚の露出を 合わせる必要があります。

露出を揃えるためには、1枚目を撮影するときにAEロックで露出を固定し、そのまま次のコマを撮影します。

デフォルトのAEロックは、撮影と同時に解除されてしまいます。

EOS R7の設定で、AEロックの状態を再度AEロックボタンが押されるまでホールドするようにしておきます。

また、手ぶれを防ぐためにセルフタイマーで撮影しました。

システムを作ったおかげで撮影は単純作業となり、あっという間に残したい写真をすべてデジタル化できました。

これで心置きなく廃棄できます。

撮影結果

撮影結果はこんな感じです。昔の展示会(おそらくマックワールドジャパン)。

立体視ができる方は交差法でご覧下さい。

そのうち、ステレオ写真として2つのコマを合体させるプログラムを書こうかと思います。

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