来客用の椅子が邪魔問題
たまに人が来ると椅子が足りなくて困ったりしますよね。
かといって来客用の椅子って使わないときはムダに場所をとります。
若いときはキャンプとかフェスで使う折りたたみ椅子を何本か押し入れに突っ込んでいたのですが、それはそれで押し入れのスペースを消費します。
お客さんにキャンプ用の簡易椅子を出すのも、若いときはいいのですが、オトナになるとちょっと失礼かなぁというのもあります。
普段は場所を取らずに、かつそれなりにちゃんとした椅子が欲しいというわけで、使わない時は衣装ケースと一体化して実質ゼロスペースになる椅子を作りました。
専用設計ならではの一体感と安定感
完成品はこんな感じです。
「ただ単に椅子に衣装ケースを乗っけただけじゃん」と思われるかもしれません。
しかし普通の椅子に衣装ケースを乗せるとやっぱり不自然なんですよね。
サイズが合わなかったり、クッションや座面の傾きやアールのせいで乗せたものが安定しなかったりします。
専用設計の椅子は見事に衣装ケースと一体化していて、たいへん自然です。
もちろん、衣装ケースがグラつくこともまったくありません。
無印のポリプロピレン衣装ケース
衣装ケースは無印良品の「ポリプロピレン収納ケース」です。
シンプルなデザインで高さのバリエーションがあって使いやすいです。
もう10年以上使っていると思います。おかげでだいぶ黄ばんでいます。
無印はモデルチェンジが少なく、時間が経っても同じモノが手に入るのがいいですね。
この衣装ケースはもともと重ねて使えるように、上部の天板が凹んでいて、そこに下部の出っ張りが嵌まるようになっています。
椅子の座面を外したときの枠が、この天板の凹みと同じサイズになるように設計してあります。
ただし、背もたれ部分が衣装ケースと干渉しないように前後をちょっとだけ長くしてスペーサーをかませています。
また、足の間も衣装ケースを置ける高さと幅の空間を確保してあります。
衣装ケースを乗せるために外した座面は、衣装ケース最上部の凹みにぴったり嵌まるようになっています。
座面の下に背もたれクッションを収納
また、座面の下は収納になっていて、普段は背もたれのクッションが入っています。
この椅子の背もたれは、衣装ケースと干渉しないように裏側から取り付けてあるので、本来あるべき位置よりも後ろにあります。
なのでそのまま座るとちょっと後ろへの傾斜がキツすぎます。あと、むき出しの木は背中が痛い。
そこで、椅子として使うときにはこのクッションを取り出した背もたれに付けます。
クッションは厚手のスポンジを綿布で巻いただけです。
手抜きをして縫わずに安全ピンで止めました。
背もたれに付けると結び目がアクセントになってちょっと可愛くなります。
例によって塗装はしていません。面倒なので。
デザインのベースはDIYデザインチェアー"SEDIA 1"
椅子として使うときはこんな感じになります。
知っている人はピンとくると思いますが、椅子のデザインはDIYデザインチェアー"SEDIA 1"を真似ています。
私も詳しくはないのですが、SEDIA 1は、イタリア人デザイナー・エンツォ・マリの作品です。
Googleで検索すると写真がたくさん見つかります。
タブルームというサイトによると、
家具のみならず、グラフィック、出版と幅広く活躍するイタリア人デザイナー・エンツォ・マリによる作品。「木材と釘があれば家具は簡単にできる」というコンセプトのもと、パイン材の板と釘、説明書が提供され、自分自身で組み立てるようになっています。
だそうです。
設計図はネットに落ちているので、それを参考に衣装ケースにあったサイズに直して作っていきました。
サイズ以外で、オリジナルSEDIA 1と違うところは、座面が水平で取り外しできること、背もたれを裏から付けるようにしていることです。
木材は安くて入手の容易な1x4材と1x8材を使っています。
座面は1x8材を2枚貼り合わせています。
脚や背もたれの支柱はホムセンで1x4材を縦半分に切ってもらいました。
分解や廃棄が楽なように、釘は使わずに1x4用のネジとボルトナットで組みました。
当初は、背もたれを外して収納することも考えていたので背もたれはボルトナットで固定していますが、最終的に背もたれは付けっぱなしになったので、全部ネジ止めでもいいと思います。
一応、参考寸法を載せておきます。責任は取れませんので、本当に作る時は自分で決めて下さい。
さすがSEDIA 1ベースの座りごごち
衣装ケースと合体しているときは、本当に衣装ケースの一部となっていてスペースをムダにしません。
椅子としての座りごごちも悪くありません。これはもうSEDIA 1をベースにしているおかげです。ぐらつきがなくしっかりしていて、さすがはプロの基本設計という感じです。
低反発のクッションを1枚敷けば、結構長時間座っていられます。
ただ、普通の椅子よりちょっと小さめなので、大柄な人には辛いかもしれません。